
同じ「漫画家」でも意外と違う!?広告漫画家と商業漫画家のアレコレ
こんにちは!トレンド・プロ絹巻です。
トレンド・プロには、約2000名の登録漫画家さんがいます。より多くの漫画家さんが気持ちよくお仕事できるよう、先日アンケートを実施しました。その結果を集計したところ、「商業マンガをメインに活動している漫画家」と「広告マンガをメインに活動している漫画家」※ではそのキャリアや得意分野に様々な違いが見られました!
今回は、そんな広告漫画家と商業漫画家の違いについて、探っていきます。
※過去5年間の活動が対象。
広告漫画家の方が漫画家歴が長い!?
「漫画家として働かれているのは何年ですか?」という質問に対して、10年以上と回答したのは、商業漫画家で約35%、広告漫画家で約50%という結果に。広告漫画家の方が、キャリアが長い人が多いんですね。
確かに、私が普段お仕事でお付き合いしている広告漫画家さんの中には、かつて商業漫画家として活動しており、広告漫画家に転向したという方が複数いらっしゃいます。そういった経緯も含めて、広告漫画家の方がキャリアが長いと推測されます。
・商業漫画家

・広告漫画家

漫画家になる前のキャリアでも違いが
「漫画家として活動される直前は、何をしていらっしゃいましたか?」という質問に対しては、商業漫画家では「フリーター」が約28%と最も多く、広告漫画家では「会社員」が約35%と最も多い結果となりました。ビジネス経験のある人が、その知見を活かして広告漫画家となることが多いようです。
・商業漫画家

・広告漫画家

好きな工程・苦手な工程の違い
「以下の工程の中で最も好きな(得意な)ものを教えてください」という質問に対しては、商業漫画家、広告マンガ共にもっとも多いのは「仕上げ」、次に多いのが「ネーム」の工程でした。
逆に、「もっとも時間のかかる(苦手な)工程はどれですか?」という質問に対しては、商業漫画家でもっとも多いのが「プロット」次に多いのが「ネーム」、広告漫画家で最も多いのが「ネーム」、次に多いのが「線画」という結果に。
総じて、作画に入る前の作業時間がかかる/苦手な漫画家が多いようです。
ちなみにトレンド・プロでは、漫画家の負担軽減とクオリティアップのため、ネームを専門に制作するネームライターにネームの工程を依頼することも多いです。(宣伝失礼しました。)
・商業漫画家

・広告漫画家

活動時間帯にも違いが!
「もっとも作業に集中できる時間帯はいつですか?」という質問に対しては、商業漫画家でもっとも多いのが「18時~24時」、次に多いのが「0時~6時」のいわゆる夜の時間帯。
一方広告漫画家は、もっとも多いのが「6時~12時」、次に多いのが「12時~18時」のいわゆる昼の時間帯という結果になりました。
漫画家というと、一般的には深夜や朝方にかけて作業しているイメージがありますが、広告漫画家はそうではないんですね。この理由としては、①広告漫画家が普段やりとりしている制作会社やクライアントの稼働時間が昼間なので合わせている、②育児をしている主婦の方も多い、などが考えられます。
・商業漫画家

・広告漫画家

まとめ
いかがでしたか?
今回の調査で、同じ「漫画家」と言っても、商業漫画家と広告漫画家では様々な違いがあることがわかりました。
従来は出版社への持ち込みや、漫画家のアシスタントとしてキャリアをスタートする人が多かった漫画家業界ですが、近年では広告漫画やマンガアプリの発展により、様々なルートや方法で漫画家になる、マンガの仕事を得る人が増えてきています!
トレンド・プロでは、今回の調査結果をふまえ、マンガ業界の更なる発展に寄与するための活動を続けたいと考えています。
調査概要
調査方法:オンライン調査
調査期間:2022/2/21~2022/3/1
調査対象:トレンド・プロの登録漫画家、SNSで活動している漫画家
調査は、過去5年間の活動の中で、①商業マンガをメインに活動している漫画家②広告マンガをメインに活動している漫画家に分けて、それぞれ同じ質問項目を設定しました。商業漫画家は72名、広告漫画家は58名、合計130名から回答を得ました。